「鋭い分析眼で本質を見抜き、的確な言葉で評価を下すのが critic の役割です」
📚 意味と用法
critic は、特定の分野、特に文学、芸術(映画、音楽、美術など)、演劇、社会問題などについて、専門的な知識や見識に基づいて分析、評価、判断を行う人を指す名詞です。その評価は肯定的であることもあれば、否定的であることもあります。
専門分野の評価者
The movie critic praised the film for its innovative storytelling.
(その映画批評家は、革新的なストーリー展開を称賛した)
政策や社会に対する意見者
She is a vocal critic of the government’s new environmental policy.
(彼女は政府の新しい環境政策に対する声高な批判者だ)
🕰️ 語源と歴史
「Critic」の語源は、古代ギリシャ語の「κριτικός (kritikos)」に遡ります。これは「判断することができる」「識別力のある」といった意味を持ち、動詞「κρίνειν (krinein)」(分ける、選ぶ、判断する)に由来します。
ラテン語の「criticus」、古フランス語の「critique」を経て、16世紀後半に英語に取り入れられました。当初は主に文学作品の評価者を指しましたが、次第に芸術全般や社会的な事象に対する評価・分析を行う人へと意味が拡大しました。
📋 活用形と派生語
Critic の形 (名詞)
形 | 英語 | 発音 |
---|---|---|
単数形 | critic | /ˈkrɪtɪk/ |
複数形 | critics | /ˈkrɪtɪks/ |
派生語と関連語
- Criticism (名詞) – 批評、批判、評論
The book received harsh criticism from some reviewers.
- Criticize (動詞) – 批評する、批判する、非難する
It’s easy to criticize, but harder to offer solutions.
- Critical (形容詞) – 批評の、批判的な、重大な、危機的な
She has a critical eye for detail.
- Critique (名詞/動詞) – 批評、論評 / 〜を批評する
The professor provided a detailed critique of her essay.
🔄 類義語
類義語のニュアンスの違い
critic | 専門的知識に基づき、肯定的・否定的な評価や分析を行う人。 |
reviewer | 主に書籍、映画、レストランなどのレビュー(論評)を書く人。 |
detractor | (反対語に近い)価値を貶めようとする人、中傷する人。 |
⚡ 対比される言葉
混同しやすい単語
Critic と Cynic: Critic は評価や分析を行う人ですが、Cynic(皮肉屋、冷笑家)は人間の動機を疑い、物事を否定的に見る傾向がある人を指します。
(皮肉屋は全ての政治家が利己的だと言うかもしれないが、批評家は彼らの政策や行動を分析するだろう。)
💬 実践的な例文
The food critic wrote a glowing review of the new restaurant.
その料理評論家は、新しいレストランについて絶賛のレビューを書いた。
He is known as a sharp critic of modern art, often challenging conventional views.
彼は現代美術の鋭い批評家として知られており、しばしば従来の考え方に異議を唱える。
Many social critics have pointed out the flaws in the current education system.
多くの社会批評家が、現行の教育制度の欠陥を指摘してきた。
Being your own worst critic can sometimes hinder your progress.
自分自身が最も厳しい批判者であることは、時に進歩を妨げることがある。
The play received mixed reviews from critics, but audiences loved it.
その演劇は批評家からは賛否両論だったが、観客には大いに受けた。
🧠 練習問題
以下の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。
1. A literary ________ often analyzes themes, characters, and style in a novel.
解説:
小説のテーマ、登場人物、文体などを分析するのは「文学批評家 (literary critic)」の役割です。「critic」が正解です。
2. The government’s plan faced strong ________ from opposition parties and the public.
解説:
政府の計画が野党や国民から「強い反対」に直面したという文脈なので、「批判」を意味する「criticism」が適切です。
3. It is important to be able to ________ your own work objectively.
解説:
自分自身の仕事を客観的に「評価・批評する」能力が重要である、という意味合いです。動詞形の「criticize」が適切です。「critique」も動詞として使えますが、選択肢にはありません。
4. The film director was very sensitive to ________ and did not take negative feedback well.
解説:
映画監督が「批判」に対して非常に敏感で、否定的なフィードバックをうまく受け止められなかった、という意味です。「criticism」が適切です。
5. Her ________ thinking skills helped her identify the flaws in the argument.
解説:
議論の欠陥を見抜くのに役立ったのは「批判的思考能力 (critical thinking skills)」です。形容詞形の「critical」が適切です。