「新しい挑戦に乗り出す大胆な意欲、またはその活動体としてのビジネス組織」
📚 意味と用法
Enterprise は名詞で、主に以下の3つの意味で使われます。
- 企業、会社、事業体: 利益を目的とする組織。特に、ある程度の規模を持つものや複数の部門を持つ組織を指すことがあります。(可算名詞)
- (困難だが重要な)事業、計画、企て: 特に新しさ、リスク、困難さを伴うプロジェクトや活動。(可算名詞)
- 進取の気性、企業家精神、大胆さ: 新しいことや困難なことに意欲的に挑戦する性質や能力。(不可算名詞)
企業、事業体
It’s a state-owned enterprise.
(それは国営企業です)
事業、計画
Launching a new product line is a major enterprise.
(新製品ラインの立ち上げは大きな事業だ)
進取の気性、企業心
She showed great enterprise in starting her own business.
(彼女は自身の事業を始めるにあたり、素晴らしい企業心を示した)
🕰️ 語源と歴史
「Enterprise」の語源は、古フランス語の動詞「entreprendre」(引き受ける、始める、企てる)の過去分詞形「entreprise」(企てられたこと、事業)です。
「Entreprendre」は、ラテン語の「inter」(間に、~の間に)と「prendere」(取る、つかむ)から成り立っています。文字通り「間に割って入って取る」というイメージから、「(仕事や責任を)引き受ける、企てる」という意味が生まれました。
この「企て」や「引き受けたこと」が名詞となり、特に困難や冒険を伴う「事業」や「計画」を指すようになりました。さらに、そのような事業を遂行する主体としての「企業」や、それを推進する精神としての「企業心」という意味へと広がりました。
📋 関連語 (コロケーション含む)
関連語
- Enterprising (形容詞) – 進取の気性に富んだ、積極的な、意欲的な
He is an enterprising young businessman.
- Entrepreneur (名詞) – 起業家、企業家
Many entrepreneurs see opportunity in crisis.
※ “Enterprise” を動詞として「企てる」意味で使うことも稀にありますが、現代では一般的ではありません。
コロケーション
- Business enterprise – 事業体、企業
- Private enterprise – 民間企業、自由企業体制
- State-owned enterprise (SOE) – 国有企業
- Small and medium-sized enterprises (SMEs) – 中小企業
- Joint enterprise / venture – 合弁事業
- Social enterprise – 社会的企業
- Enterprise zone – 企業誘致地区
- Enterprise software / solutions – 企業向けソフトウェア / ソリューション
- Show enterprise – 企業心を発揮する
🔄 類義語(意味による)
企業、事業体
事業、計画、企て
進取の気性、企業心
🚫 反対語・混同しやすい単語
反対の概念(主に「企業心」に対して)
※「企業」や「事業」自体に直接的な反対語はありません。
混同しやすい単語
Enterprise (名詞: 企業、事業、企業心) と以下の単語との違いに注意しましょう。
- Entrepreneur (名詞): 起業家、企業家(事業を始める人)
- Company (名詞): 会社(法人格を持つ組織を指すことが多いが、広く business と同義でも使われる)
“He is a successful entrepreneur who started several companies.” (彼はいくつかの会社を始めた成功した起業家だ)
💬 実践的な例文
Our enterprise has been growing steadily over the past year.
私たちの企業は、過去1年間着実に成長してきました。
Building the bridge was a complex and costly enterprise.
その橋を建設することは、複雑で費用のかかる事業だった。
She showed great enterprise in setting up her own company.
彼女は自身の会社を設立するにあたり、素晴らしい企業心(進取の気性)を示した。
We need new enterprise solutions to streamline our workflow.
ワークフローを効率化するために、新しい企業向けソリューションが必要です。
Free enterprise is a key component of the country’s economy.
自由企業(体制)はその国の経済の重要な構成要素です。
🧠 練習問題
以下の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。
1. Starting a new business requires a lot of ________ and hard work.
解説:
新しいビジネスを始めるのに必要な「意欲」や「精神」を指すのは不可算名詞の enterprise(進取の気性、企業心)です。company, project, organization は可算名詞で、組織や計画そのものを指します。正解は enterprise です。
2. The government supports small ________ through tax incentives.
解説:
「中小企業」のように複数の企業体を指す場合、可算名詞 enterprise の複数形 enterprises を使います。enterprise は単数形、enterprising は形容詞、entrepreneur は起業家(人)です。正解は enterprises です。
3. Exploring the deep sea is a challenging but exciting scientific ________.
解説:
深海探査のような挑戦的でわくわくする「科学的な事業(企て)」を指す場合、enterprise が適しています。company, firm, corporation は通常、営利目的の組織を指します。正解は enterprise です。
4. The success of the ________ depended on collaboration between several countries.
解説:
「その事業(計画)の成功」を指す場合、単数形の enterprise が適切です。enterprising は形容詞、entrepreneur は起業家、enterprises は複数形です。正解は enterprise です。
5. A successful ________ needs not only a good idea but also strong leadership and vision.
解説:
良いアイデアだけでなく、強力なリーダーシップとビジョンを必要とするのは「起業家」です。したがって、entrepreneur が最も適切です。company や project は組織や計画そのもの、enterprise (as spirit) は企業家精神を指しますが、ここでは「人」を指す言葉が必要です。正解は entrepreneur です。