「静寂な寺院に差し込む光のように、sacred は崇敬の念を呼び起こします」
📚 意味と用法
sacred は、主に2つの関連する意味を持つ形容詞です。
1. 宗教的な神聖さ: 神、女神、または宗教的な目的や儀式に捧げられ、崇敬の対象となるさま。教会、寺院、聖典、儀式などがこれにあたります。この文脈では、しばしば「holy」と類義です。
2. 極めて重要で不可侵なもの: 宗教的でなくても、ある個人や集団にとって非常に大切で、軽々しく扱ったり侵害したりしてはならないと見なされるさま。伝統、約束、場所、価値観などがこれにあたり、「尊い」「侵すべからざる」といったニュアンスを持ちます。
宗教的な神聖さ
This ancient temple is a sacred site for pilgrims.
(この古代の寺院は巡礼者にとって神聖な場所です。)
極めて重要で不可侵なもの
The right to vote is a sacred duty in a democracy.
(投票権は民主主義において神聖な義務です。)
🕰️ 語源と歴史
「Sacred」の語源は、ラテン語の形容詞「sacer」(聖なる、神聖な、奉献された)に遡ります。この「sacer」から派生した動詞「sacrare」(神聖にする、奉献する)があり、その過去分詞形が「sacratus」です。
これらのラテン語は、神々や宗教的儀式との関連で「分離された」「聖別された」という中心的な概念を持っていました。つまり、日常的なものとは区別され、特別な敬意を払われるべき対象を指していました。
この言葉は古フランス語の「sacré」を経て中英語に入り、現代英語の「sacred」として定着しました。その過程で、宗教的な文脈だけでなく、非常に重要で尊重されるべきもの全般を指すようにもなりました。
📋 比較級・最上級と派生語
Sacred の比較級・最上級
- 品詞: 形容詞
- 比較級: more sacred
- 最上級: most sacred
「Sacred」は「神聖な」という絶対的な意味合いが強い言葉ですが、文法的には比較級・最上級の形を取ることができます。ただし、その使用は、他のものと比較して相対的に「より神聖視されている」といったニュアンスを表現する場合に限られます。
派生語と関連語
- Sacredness (名詞) – 神聖さ、尊さ
The sacredness of the moment was felt by everyone present.
- Sacralize (動詞) – ~を神聖化する
Attempts were made to sacralize the national identity.
- Consecrate (動詞) – ~を神聖にする、奉献する (類義語)
The bishop will consecrate the new church.
- Sacrifice (名詞/動詞) – 犠牲(にする)、いけにえ (語源関連語)
They offered a sacrifice to appease the gods.
🔄 類義語
類義語のニュアンスの違い
sacred | 神または宗教に捧げられた、あるいは非常に重要で敬うべき。侵害できない。 |
holy | 神聖で、道徳的に純粋、神に属する。神自身の性質に近い。 |
hallowed | (しばしば長年の伝統や歴史によって)神聖なものとされた、尊ばれる。 |
⚡ 反対語
混同しやすい単語
Sacred と Holy はしばしば同義に使われますが、微妙な違いがあります。Holy は神そのものの性質や、神に由来する道徳的な純粋さや聖性を指すことが多いのに対し、Sacred は神に捧げられたもの、または宗教的・文化的に特別な意味を持ち、侵害してはならないとされる対象(場所、物、時間、慣習など)を指す傾向があります。
💬 実践的な例文
The indigenous tribe considers the mountain to be a sacred place where their ancestors reside.
その先住民族は、その山を祖先が住まう神聖な場所だと考えています。
For many people, their wedding vows are sacred and unbreakable.
多くの人々にとって、結婚の誓いは神聖で破ることのできないものです。
The museum houses a collection of sacred artifacts from various ancient civilizations.
その博物館は、様々な古代文明の神聖な工芸品を収蔵しています。
Respect for all living beings is a sacred principle in their philosophy.
すべての生き物への敬意は、彼らの哲学において尊い原則です。
The journalist refused to reveal her sources, considering them sacred.
そのジャーナリストは情報源を神聖なもの(守秘すべきもの)と考え、明らかにすることを拒否しました。
🧠 練習問題
以下の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。
1. The ancient manuscript was kept in a special chamber, treated as a ________ object.
解説:
古代の写本が特別な部屋で「神聖な」物として扱われていた、という意味なので「sacred」が適切です。「profane」(冒涜的な)、「common」(普通の)、「ordinary」(ありふれた)は文脈に合いません。
2. For the artist, the studio was a ________ space where creativity could flourish.
解説:
芸術家にとってスタジオが創造性を育む「神聖な(非常に大切な)」空間であった、という意味なので「sacred」が適切です。「secular」(世俗的な)、「worldly」(現世的な)、「trivial」(些細な)は意味が異なります。
3. The act of _________ a holy site is considered a grave offense in many religions.
解説:
聖地を「冒涜する」行為は多くの宗教で重大な違反とされるため、「desecrating」が適切です。これは「sacred」の反対の概念に関連します。「Consecrating」「sacralizing」「hallowing」は神聖にすることです。
4. The _________ of these ancient rituals has been maintained for centuries.
解説:
これらの古代儀式の「神聖さ」が何世紀にもわたって維持されてきた、という意味なので名詞の「sacredness」が適切です。「Profanity」は冒涜、「secularity」は世俗性、「ordinariness」は普通であることを意味します。
5. Some traditions are considered ________ and are passed down from generation to generation.
解説:
世代から世代へと受け継がれる伝統は「神聖な(尊い)」ものと見なされることがあるため、「sacred」が適切です。「Temporary」(一時的な)、「changeable」(変わりやすい)、「insignificant」(取るに足りない)は文脈に合いません。