「静かなる湖面のように、passive は外からの動きを受け入れ、映し出す」

📚 意味と用法

passive は形容詞で、主に以下の意味で使用されます。

  1. 受動的な、消極的な: 積極的に行動せず、他の力や意志に身を任せる様子。自ら働きかけず、影響を受ける側にいる状態を指します。
  2. 影響を受けやすい: 外部からの刺激や影響を容易に受けてしまう性質。
  3. (文法)受動態の: 文法において、主語が動作を行うのではなく、動作を受ける形であること。(例: The letter was written. – 手紙は書かれた。)
  4. (電子部品)受動素子の: 外部からのエネルギー供給なしに動作する電子部品(抵抗、コンデンサ、インダクタなど)。この意味は専門的な文脈で使われます。

受動的な態度

He tends to be passive in group discussions, preferring to listen rather than speak.

(彼はグループディスカッションでは受動的で、話すよりも聞くことを好む傾向がある。)

影響を受けやすい状態

The passive observer was swayed by the speaker’s emotional appeal.

(その受動的な観察者は、講演者の感情的な訴えに心を動かされた。)

🕰️ 語源と歴史

Passive」は、ラテン語の動詞「pati」(苦しむ、耐える、経験する、許す)の過去分詞「passus」に由来し、そこから派生したラテン語の形容詞「passivus」(受け身の、感じやすい)が直接の語源です。

「Pati」の根底には、「何かを経験する」特に「苦痛や困難なことを耐え忍ぶ」というニュアンスがありました。この「受ける」という側面が、「passivus」において「自ら行動するのではなく、外部からの作用を受ける」という意味合いを強くしました。

英語には14世紀後半にこのラテン語から「passive」が取り入れられ、当初から「影響を受けやすい」「自発的でない」といった意味で使用されてきました。文法用語としての「受動態」の意味合いも比較的早い時期から存在していました。

LATIN
pati (to suffer, undergo)
LATIN
passivus (receptive)
LATE MIDDLE ENGLISH
passive

📋 比較級・最上級と派生語

Passive の比較級・最上級

  • 品詞: 形容詞
  • 比較級: more passive
  • 最上級: most passive

「Passive」は程度を表すことができるため、比較級・最上級の形を取ります。

派生語と関連語

  • Passively (副詞) – 受動的に、消極的に
    He listened passively to the lecture without asking any questions.
  • Passiveness (名詞) – 受動性、消極性
    Her passiveness in the face of injustice was frustrating.
  • Passivity (名詞) – 受動性、無抵抗 (passiveness とほぼ同義)
    The therapist was concerned about his client’s passivity.
  • Passive voice (名詞句) – (文法) 受動態
    “The cake was eaten” is an example of the passive voice.

🔄 類義語

inactive (不活発な)
submissive (従順な)
unassertive (非主張的な)
acquiescent (黙認する)
resigned (甘受する)
inert (不活発な、無気力な)

類義語のニュアンスの違い

passive 自ら行動を起こさず、外部からの影響をそのまま受け入れる。
inactive 活動していない、動いていない状態。必ずしも受動的とは限らない。
submissive 他者の権威や意志に服従する、抵抗しない。

⚡ 反対語

active (活動的な、能動的な)
assertive (自己主張する)
proactive (積極的な、主体的な)
dynamic (活動的な、精力的な)
resistant (抵抗する – 影響に対して)

混同しやすい単語

PassiveIntroverted (内向的な)。内向的な人が必ずしも受動的であるとは限りません。内向的な人は社交の場でエネルギーを消耗しやすいですが、自身の興味のあることには積極的に取り組みます。一方、Passive は状況や他者に対して主体的に関わろうとしない態度を指します。

💬 実践的な例文

1

He adopted a passive attitude and waited for others to make the first move.

彼は受動的な態度をとり、他の人が最初の一歩を踏み出すのを待った。

状況: グループでの意思決定や行動開始の場面で、率先しない様子。
2

The sentence “The report was submitted by the committee” is in the passive voice.

「その報告書は委員会によって提出された」という文は受動態である。

状況: 文法構造について説明する際。主語が動作の対象となる場合。
3

She was tired of his passive acceptance of their unfair treatment.

彼女は彼らが受ける不当な扱いの受動的な受け入れにうんざりしていた。

状況: 不公平な状況に対して、抵抗や意見表明をしない様子。
4

Passive smoking can also be harmful to your health.

受動喫煙も健康に害を及ぼす可能性がある。

状況: 健康に関する話題で、自ら行動しなくても影響を受ける例。
5

The system uses passive sensors that detect changes in the environment.

そのシステムは環境の変化を検知する受動的なセンサーを使用している。

状況: 技術や科学の分野で、自ら信号を発しない装置や部品を指す場合。

🧠 練習問題

以下の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。

1. Instead of taking a _________ role, she decided to actively participate in the project.

passive
active
dynamic
energetic

解説:

「積極的に参加することを決めた」とあるので、その対比として「受動的な」役割を取る代わりに、という意味で「passive」が適切です。

2. The grammar lesson focused on distinguishing between the active and _________ voice.

submissive
passive
assertive
dominant

解説:

文法の授業で「能動態」と区別するのは「受動態」なので、「passive」が適切です。

3. A _________ solar heating system collects energy without the use of pumps or fans.

dynamic
energetic
passive
active

解説:

ポンプやファンを使わずにエネルギーを集めるシステムは「受動的な」太陽熱暖房システムと呼ばれるため、「passive」が適切です。

4. His _________ in the face of repeated bullying was concerning to his friends.

activity
passivity
assertion
resistance

解説:

繰り返されるいじめに直面した際の彼の「受動性(無抵抗)」が友人たちの心配の種だった、という意味なので名詞の「passivity」が適切です。

5. It’s not good to be too _________ in your career; sometimes you need to speak up for yourself.

proactive
assertive
passive
dynamic

解説:

キャリアにおいてあまりにも「受動的」であるのは良くない、時には自己主張する必要がある、という意味なので「passive」が適切です。