「予備のタイヤのように、spare は万が一への備えや、時間や物を分け与える余裕を示します」
📚 意味と用法
spare は、形容詞、動詞、名詞として多様な意味を持つ単語です。
- 形容詞: 「予備の」「余分の」 (spare key/tire/room)、「空いている」 (spare time)、「(人が)痩せた、ぜい肉のない」 (a spare figure)。
- 動詞: 「(時間・金・物などを)割く、分け与える」 (Can you spare a minute?)、「〜なしで済ます」 (spare the expense)、「(手間・費用などを)惜しむ」 (spare no effort)、「(苦痛・不快なことなどを)与えないでおく、容赦する」 (spare someone’s life/feelings)。
- 名詞: 「予備品」「スペア」 (carry a spare)。
予備の (形容詞)
Do you have a spare pen I could borrow?
(貸していただける予備のペンはありますか?)
時間を割く (動詞)
Could you spare me a few minutes of your time?
(少しお時間を割いていただけますか?)
容赦する、与えない (動詞)
Please spare me the details; I don’t want to know.
(詳細は勘弁してください。知りたくありません。)
🕰️ 語源と歴史
「Spare」の語源は、古英語の動詞「sparian」に遡ります。これは「倹約する」「使わないでおく」「(命などを)助ける、容赦する」といった意味を持っていました。
この古英語の単語は、さらにゲルマン祖語の「*sparōną」または「*sparjaną」(蓄える、節約する)に由来すると考えられています。
「使わないでおく」「節約する」というコアな意味から、「余分に持っている」→形容詞「予備の、余分の」という意味が派生しました。また、「傷つけないでおく」「危害を加えないでおく」→動詞「容赦する、(苦痛などを)与えないでおく」という意味も生まれました。さらに、「(自分が使う分とは別に)取っておく」→動詞「(時間などを)割く」という意味にも繋がりました。
📋 活用形と派生語
Spare の活用形 (動詞)
活用形 | 英語 | 発音 |
---|---|---|
原形 | spare | sper |
三人称単数現在形 | spares | sperz |
過去形 | spared | sperd |
過去分詞 | spared | sperd |
現在分詞 | sparing | ˈsperɪŋ |
派生語と関連語
- Spare (名詞) – 予備品、スペア(タイヤ、部品など)
Do you have a spare for this?
- Sparing (形容詞) – 倹約な、控えめな
He is sparing with praise. (彼はめったに人を褒めない)
- Sparingly (副詞) – 控えめに、倹約して
Use the sauce sparingly; it’s very spicy.
- Spareness (名詞) – 乏しさ、質素さ、痩せていること
The spareness of the room reflected his simple lifestyle.
🔄 類義語
形容詞「予備の、余分の」
動詞「割く、与える」
動詞「容赦する、与えない」
類義語のニュアンスの違い
spare (adj) | 必要分とは別に「予備として」持っている。 |
extra (adj) | 通常必要な量や数に「加えて」ある、余分な。 |
spare (v – 割く) | 自分の時間や物の一部を、他の人や目的のために「分け与える」。 |
afford (v) | 時間的・金銭的に「~する余裕がある」。 |
⚡ 反対語
形容詞「予備の」の反対
動詞「割く」の反対
動詞「容赦する」の反対
混同しやすい単語
スペルや発音が似ている単語に注意しましょう。
- Share (/ʃer/ 動詞): 分ける、共有する
- Spark (/spɑːrk/ 名詞/動詞): 火花 / 火花を出す、引き起こす
- Spear (/spɪər/ 名詞/動詞): 槍 / 槍で突く
💬 実践的な例文
Can you spare some time to help me with this project?
このプロジェクトを手伝うために、少し時間を割いていただけますか? (元の例文を疑問文に変更)
I always keep a spare set of keys in case I lock myself out.
自分が締め出された場合に備えて、常に予備の鍵一式を持っています。
She decided to spare no effort in preparing for the exam.
彼女は試験の準備において、いかなる努力も惜しまないことに決めた。
The spare room can be used as a temporary office.
その空いている部屋は、一時的なオフィスとして使用できる。(元の例文を修正)
He asked the reporters to spare his family’s privacy.
彼は記者たちに、家族のプライバシーを侵害しないよう(容赦するよう)求めた。(元の例文を変更)
🔗 コロケーション(よく使われる組み合わせ)
- spare key/tire/wheel/parts: 予備の鍵/タイヤ/車輪/部品
- spare room/bedroom: 予備の部屋/寝室
- spare time/moment: 余暇の時間/ちょっとした時間
- spare change: 小銭
- spare cash/money: 余分な現金/お金
- can you spare…?: ~を割いていただけますか?
- spare no effort/expense: 努力/費用を惜しまない
- spare sb’s life/feelings: (人)の命を助ける/感情を害さないようにする
- spare sb the trouble/details: (人)に面倒をかけない/詳細を話さないでおく
- have something to spare: ~が余っている
🧠 練習問題
以下の文の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。
1. Do you have a __ pen I can borrow?
解説:
名詞 pen を修飾するのは形容詞です。「予備のペン」という意味にするため、形容詞の (b) spare が適切です。(元の問題1を修正)
2. He always carries a __ tire in his trunk, just in case.
解説:
名詞 tire を修飾するのは形容詞です。「予備のタイヤ」という意味にするため、形容詞の (b) spare が適切です。(元の例文に文脈を追加)
3. Could you __ a few minutes to discuss this matter?
解説:
助動詞「could」の後には動詞の原形が来ます。「数分(時間を)割く」という意味にするため、動詞の原形 (b) spare が適切です。(元の例文を修正)
4. She __ no effort in making the fundraising event a huge success.
解説:
文脈から過去の出来事を表していると考えられるため、過去形が適切です。「spare no effort」は「努力を惜しまない」という慣用句です。正解は (d) spared です。(元の例文に文脈を追加)
5. Luckily, the storm __ the coastal towns from major damage.
解説:
過去の出来事について述べているため、過去形が必要です。「嵐が沿岸の町に大きな損害を与えるのを免れさせた(容赦した)」という意味になります。正解は (d) spared です。(元の問題5を変更)