「設計図のように、scheme は計画や構造を示す一方、時には隠された意図も匂わせます」
📚 意味と用法
scheme は、名詞と動詞の両方で使われ、文脈によって意味合いが大きく変わる単語です。
名詞としては、①公的な計画や制度(肯定的)、②陰謀、悪だくみ(否定的)、③体系、構成、配色などを指します。
動詞としては、④(特に秘密裏に、または不正な方法で)計画する、たくらむという意味で使われ、否定的なニュアンスを含むことが多いです。
名詞① 計画・制度 (肯定的)
The government introduced a new pension scheme.
(政府は新しい年金制度を導入した)
名詞② 陰謀・たくらみ (否定的)
He was involved in a fraudulent scheme to make money.
(彼はお金を稼ぐための詐欺的なたくらみに関与していた)
名詞③ 配色・体系
The colour scheme of the room is very relaxing.
(その部屋の配色はとても落ち着く)
動詞④ 計画する・たくらむ
They were scheming to overthrow the government.
(彼らは政府転覆をたくらんでいた)
🕰️ 語源と歴史
「Scheme」の語源は、ギリシャ語の「skhēma (σχῆμα)」で、これは「形」「姿」「様子」「計画」などを意味しました。
これがラテン語に「schema」として取り入れられ、「形」「図」「様式」といった意味で使われました。
16世紀に英語に「scheme」として入った当初は、主に「図」「計画」「体系」といった中立的または肯定的な意味合いでした。しかし、18世紀頃から「陰謀」「悪だくみ」という否定的な意味合いも持つようになりました。動詞としての「たくらむ」という意味もこの頃に定着しました。
📋 活用形と派生語
Scheme (動詞) の活用形
活用形 | 英語 | 発音 |
---|---|---|
原形 | scheme | skiːm |
三人称単数現在形 | schemes | skiːmz |
過去形 | schemed | skiːmd |
過去分詞 | schemed | skiːmd |
現在分詞 | scheming | ˈskiːmɪŋ |
派生語と関連語
- Schemer (名詞) – 策略家、陰謀家 (通常、否定的)
He was known as a ruthless schemer.
- Schematic (形容詞/名詞) – 図式的な、概略の / 図式、概略図
The report included a schematic diagram of the system.
- Scheming (形容詞) – 策略的な、陰険な (否定的)
She gave him a scheming smile.
🔄 類義語
名詞 (計画・制度)
名詞 (陰謀・たくらみ)
動詞 (たくらむ)
⚡ 反対語
「Scheme」には明確な一語の反対語は少ないです。「計画」の反対は「無計画 (disorder, chaos, randomness)」、「陰謀」の反対は「誠実さ (honesty, openness, integrity)」などが考えられます。
混同しやすい単語・注意点
Scheme vs. Plan: どちらも「計画」を意味しますが、scheme はしばしば巧妙さや、時には否定的な「たくらみ」のニュアンスを含むことがあります。公的な制度など肯定的な文脈でも使われますが、plan の方がより中立的で一般的な「計画」を指します。
“He revealed their secret scheme.” (彼は彼らの秘密のたくらみを暴露した – 否定的)
“The company offers a savings scheme for employees.” (会社は従業員向けの貯蓄制度を提供している – 肯定的)
💬 実践的な例文
The city council announced a new traffic management scheme to reduce congestion.
市議会は渋滞を緩和するための新しい交通管理計画を発表しました。
The police uncovered a complex scheme to defraud investors.
警察は投資家を騙すための複雑な詐欺計画を暴きました。
I like the simple colour scheme used in this website design.
このウェブサイトデザインで使われているシンプルな配色が好きです。
He spent months scheming against his rivals.
彼は何か月もライバルに対する陰謀を企てていました。
The company has a training scheme for new employees.
その会社には新入社員向けの研修制度があります。
🧠 練習問題
以下の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。
1. The company’s new marketing ________ aims to attract younger customers.
解説:
会社の新しいマーケティング「計画」や「戦略」を指しています。この文脈では肯定的な意味で使われており、「scheme」が適切です。「plot」「conspiracy」「intrigue」は通常、否定的な「陰謀」を意味します。
2. He was accused of participating in a ________ to fix the election results.
解説:
選挙結果を不正に操作するための「陰謀」や「たくらみ」に参加したとして非難された、という文脈です。否定的な意味合いを持つ「scheme」が正解です。「program」「project」「system」は通常、肯定的な計画や制度を指します。
3. The interior designer chose a bold color ________ for the living room.
解説:
リビングルームに選んだ大胆な「配色」を指しています。「color scheme」という表現で使われます。「scheme」が正解です。「plot」(陰謀)、「plan」(計画)、「project」(事業計画)は色の組み合わせを意味しません。
4. The villains were caught while they were ________ to rob the bank.
解説:
悪役たちが銀行強盗を「たくらんでいる」最中に捕まった、という状況です。動詞の現在分詞形で、否定的なニュアンスを持つ「scheming」が最も適切です。「planning」も計画中ですが、否定的な意味合いが弱いです。「designing」(設計中)、「projecting」(計画中、投影中)も不適切です。
5. The university implemented a new scholarship ________ to support students from low-income families.
解説:
大学が導入した低所得家庭の学生を支援するための新しい奨学金「制度」を指します。公的な制度を表す肯定的な文脈であり、「scheme」が適切に使われます。「plot」「intrigue」「conspiracy」は否定的な「陰謀」を意味するため不適切です。