📚 意味と用法
wander は、「さまよう」「放浪する」「ぶらつく」という意味を持つ動詞です。明確な目的地や計画なしに歩き回る物理的な移動だけでなく、思考や注意が本来の対象から逸れること(心がさまよう)も指します。
物理的にさまよう
We wandered through the old town.
(私たちは古い町をぶらぶら歩いた)
思考や注意がさまよう
My mind tends to wander during long meetings.
(長い会議中は注意が散漫になりがちだ)
🕰️ 語源と由来
「Wander」の語源は、古英語の動詞「wandrian」に遡ります。これは「移動する」「さまよう」「放浪する」といった意味を持っていました。
この「wandrian」は、さらに古い西ゲルマン祖語の「*wandrōnan」に由来し、これはインド・ヨーロッパ祖語の語根「*wendh-」(回転する、曲がる、編む)に関連していると考えられています。
「回転する、曲がる」という元の意味から、定まった道筋から外れて「さまよう」という意味に発展したと推測されます。中英語期を経て現代の「wander」となり、物理的な移動だけでなく、思考などが定まらずに移り変わる様子も表すようになりました。
📋 活用形と派生語
Wander の活用形
活用形 | 英語 | 発音 |
---|---|---|
原形 | wander | /ˈwɒndər/, /ˈwɑːndər/ |
三人称単数現在形 | wanders | /ˈwɒndəz/, /ˈwɑːndərz/ |
過去形 | wandered | /ˈwɒndəd/, /ˈwɑːndərd/ |
過去分詞 | wandered | /ˈwɒndəd/, /ˈwɑːndərd/ |
現在分詞 | wandering | /ˈwɒndərɪŋ/, /ˈwɑːndərɪŋ/ |
派生語と関連語
- Wanderer (名詞) – 放浪者、さまよう人
He lived the life of a wanderer for many years.
- Wanderings (名詞 – 複数形) – 放浪、遍歴
She wrote a book about her wanderings in Asia.
🔄 類義語
⚡ 反対語
混同しやすい単語
Wonder /ˈwʌndər/: 動詞で「〜かなと思う、不思議に思う」、名詞で「驚き、不思議」。発音が似ているため注意。
Winder /ˈwaɪndər/: 名詞で「巻き取り器、巻く人」。発音が似ている。
Wanderer /ˈwɒndərər/, /ˈwɑːndərər/: 名詞で「放浪者」。Wanderから派生した単語。
Squander /ˈskwɒndər/, /ˈskwɑːndər/: 動詞で「浪費する」。発音が似ている。
👥 コロケーション (よく使われる組み合わせ)
- Wander Aimlessly(目的なくさまよう): 特定の目的地や方向性なしに歩き回ること。
- Wander Off(はぐれる、道からそれる): 本来の場所やグループから離れて行ってしまうこと。
- Mind Wanders(心がさまよう、注意が散漫になる): 集中すべきことから考えが逸れてしまうこと。
- Wander Through(〜をさまよい歩く): ある場所(森、町、美術館など)をあちこち歩き回ること。
- Wander Around(あたりをぶらつく): 特定のエリア内を目的もなく歩き回ること。
- Wander into(〜に迷い込む): 意図せずにある場所に入ってしまうこと。 (例: wander into danger)
💬 実践的な例文
They decided to wander through the forest, exploring its hidden secrets.
彼らは森をさまよい歩き、その隠された秘密を探ることにした。
After a long day of hiking, we would often wander around the quaint village.
ハイキングで長い一日を過ごした後、私たちはよく趣のある村をぶらぶら歩きました。
The old man would often wander the streets, reminiscing about his youth.
その老人はよく通りをさまよい歩き、若かりし頃を回想していました。
Sometimes, it’s good to wander aimlessly and let your mind wander too.
時には、目的もなくさまよい、心もさまように任せるのも良いことです。
The nomadic tribe would wander the desert in search of water and pasture for their animals.
その遊牧民は、動物たちのための水と牧草地を求めて砂漠を放浪しました。
🧠 練習問題
問題1: After losing his job, he began to ______ from city to city looking for new opportunities.
解答と解説:
解答: (B) wander
文脈は、仕事を失い、新しい機会を求めて都市から都市へ「〜し始めた」状況です。「wander」(さまよう、放浪する)が最も適切です。(A) settle(定住する)、(C) reside(居住する)、(D) stay(滞在する)は文脈に合いません。
和訳: 仕事を失った後、彼は新しい機会を求めて都市から都市へと放浪し始めた。
問題2: The old man liked to ______ through the park every morning, enjoying the peace and quiet.
解答と解説:
解答: (B) wander
文脈は、老人が毎朝公園を「〜するのが好きだった」状況で、平和と静けさを楽しむ様子を描写しています。「wander」(ぶらつく、散策する)が、急がずにゆっくり歩くニュアンスとして最も適切です。(A) run(走る)、(C) sprint(全力疾走する)、(D) jog(ジョギングする)は文脈に合いません。
和訳: その老人は毎朝、平和と静けさを楽しみながら公園を散策するのが好きだった。
問題3: During the lecture, her mind began to ______, thinking about her weekend plans.
解答と解説:
解答: (B) wander
文脈は、講義中に心が週末の計画を考えて「〜し始めた」状況です。「mind wanders」で「心がさまよう、注意が散漫になる」という定型表現になります。(A) concentrate(集中する)、(C) focus(集中する)は逆の意味です。
和訳: 講義中、彼女の心は週末の計画を考え始めて(上の空になり)さまよい始めた。
問題4: The tourists decided to ______ around the ancient ruins, discovering hidden paths and forgotten stories.
解答と解説:
解答: (C) wander
文脈は、観光客が古代遺跡の周りを「〜することにした」状況で、隠された道や物語を発見したと続いています。「wander around」で「あたりをぶらつく、散策する」という意味になり、目的なく歩き回る中で発見があったというニュアンスに合います。(A) explore(探検する)も可能ですが、wanderの方がより自由気ままな様子を示します。(B) search(探す)、(D) examine(調査する)は文脈に合いにくいです。
和訳: 観光客たちは古代遺跡のあたりを散策することにし、隠された小道や忘れられた物語を発見した。
問題5: He would often ______ into daydreams during meetings, missing important details.
解答と解説:
解答: (A) wander
文脈は、会議中に白昼夢に「〜」して重要な詳細を聞き逃す状況です。「wander into daydreams」で「白昼夢にふける、ぼーっとする」という意味になります。(B) dive(飛び込む)、(C) leap(跳ぶ)、(D) fall(落ちる)も比喩的に使われることはありますが、daydreamと結びつくのはwanderが最も一般的です。
和訳: 彼は会議中によく空想にふけってしまい、重要な詳細を聞き逃すことがあった。