📚 意味と用法

Whoever は、複合関係代名詞として、または疑問詞 who を強調する形で使われます。

1. 名詞節を導く「〜する人は誰でも」

“anyone who” と同様の意味で、文全体の主語や目的語になる節を作ります。

Whoever finishes first will get a prize. (最初に終えた人は誰でも賞をもらえます – 主語)

You can invite whoever you want. (あなたが望む人なら誰でも招待できます – 目的語)

2. 譲歩の副詞節を導く「たとえ誰が〜しても」

“no matter who” と同様の意味で、「誰が〜しようとも」という譲歩の条件を示します。

Whoever says that, I don’t believe it. (たとえ誰がそう言おうとも、私は信じない)

3. 疑問詞の強調「一体誰が」

驚きや当惑を表す疑問文で、who を強調します。

Whoever could have done such a thing? (一体全体誰がそんなことをしたのだろうか?)

特定の条件や制限を設けずに「誰でも」が該当する場合に広く使われ、柔軟な言い回しを可能にします。

🕰️ 語源と由来

「Whoever」は、関係代名詞/疑問詞の「who」に、強調や一般化を表す接尾辞「-ever」が付いてできた言葉です。

「who」は古英語の「hwā」(誰)に由来し、「-ever」は古英語の「ǣfre」(常に、いつでも)に由来します。

この「-ever」は、他の疑問詞(what, when, where, which, how)にも付き、「〜であっても」という譲歩や、「一体〜」という強調の意味を加えます。「Whoever」は、「who」(誰)の意味を一般化・強調する形で形成されました。

🔄 類義語 (「〜する人は誰でも」の意味)

Anyone who (〜する人は誰でも)
Anybody who (〜する人は誰でも)
Everyone who (〜する人は皆)
Any person who (〜するいかなる人も)

⚡ 反対語

No one (誰も~ない)
Nobody (誰も~ない)

混同しやすい単語: Whomever

Whomever /huːmˈevər/: 複合関係代名詞で、whoever の目的格。「〜する人なら誰にでも」「たとえ誰に〜しても」という意味で、文中で目的語の役割をします。

使い分け: whoever が節の中で主語になる場合、whomever が目的語になる場合に用います。ただし、現代英語、特に会話では、目的格の場合でも whoever が使われることが多くなっています。
例: Give it to whoever/whomever you like. (節 you like の中で目的語)

👥 コロケーション (よく使われる組み合わせ)

Whoever は後に動詞が続く形で使われることがほとんどです。

  • Whoever wins …
  • Whoever comes …
  • Whoever wants …
  • Whoever believes …
  • Whoever calls …
  • Whoever needs …
  • Whoever asks …
  • Whoever helps …
  • Whoever knows …
  • Whoever finds …
  • Whoever takes …
  • Whoever did this …

💬 実践的な例文

1

Whoever wants to participate in the event is welcome to join us.

イベントに参加したい人は、誰でも私たちの参加を歓迎します。(名詞節・主語)

2

The prize will be awarded to whoever demonstrates exceptional skills in the competition.

賞は、競技で卓越したスキルを示す人なら誰にでも授与されます。(名詞節・前置詞の目的語)

3

Whoever finds the lost item should report it to the lost and found office.

落とし物を見つけた人は誰でも、それを遺失物取扱所に報告すべきです。(名詞節・主語)

4

The policy applies to whoever uses the company’s facilities, regardless of their position.

その方針は、役職に関わらず、会社の施設を使用する人なら誰にでも適用されます。(名詞節・前置詞の目的語)

5

Whoever arrives late to the meeting may miss important information.

会議に遅れて到着する人は誰でも、重要な情報を見逃すかもしれません。(名詞節・主語)

🧠 練習問題

問題1: ______ wants to join the book club should sign up by Friday.

(A) Whomever
(B) Whoever
(C) Whichever
(D) Whatever

解答と解説:

解答: (B) Whoever
空欄は文全体の主語となる名詞節 `______ wants to join the book club` を導き、かつその節の中で動詞 `wants` の主語となる代名詞が必要です。「〜する人は誰でも」という意味の主格の複合関係代名詞「Whoever」が適切です。(A) Whomever は目的格、(C) Whichever は「どちらでも」、(D) Whatever は「何でも」という意味で文脈に合いません。
和訳: ブッククラブに参加したい人は誰でも、金曜日までに申し込むべきです。

問題2: Feel free to invite ______ you think would enjoy the party.

(A) whoever
(B) whomever
(C) whichever
(D) who

解答と解説:

解答: (A) whoever
空欄は動詞 `invite` の目的語となる名詞節 `______ you think would enjoy the party` を導きます。この節の中で、空欄に入る代名詞は `would enjoy` の主語となります。したがって、主格の「Whoever」が適切です。「you think」は挿入句と考えます。(厳密な文法では目的格の whomever が使われることもありましたが、現代英語では主格の whoever が優勢です。)
和訳: パーティーを楽しむと思う人なら誰でも気軽に招待してください。

問題3: ______ calls while I’m out, please take a message.

(A) Whatever
(B) Whomever
(C) Whoever
(D) Whenever

解答と解説:

解答: (C) Whoever
文脈は「たとえ誰が電話してきても」という譲歩の副詞節を導く形です。「Whoever」は「たとえ誰が〜しても (No matter who)」の意味で副詞節を作ることができます。空欄は動詞 `calls` の主語にもなっています。(B) Whomever は目的格、(A) Whatever(何でも)、(D) Whenever(いつでも)は文脈に合いません。
和訳: 私が外出中に誰が電話してきても、伝言を受け取ってください。