【abject – 悲惨な、卑しい】
【abject – 悲惨な、卑しい】という単語の語源とか由来を知っていますか?
「abject」(悲惨な、卑しい)はラテン語の「abjectus」に由来し、「投げ捨てられた」や「捨てられた」を意味します。ラテン語の「abicere」(捨てる、投げる)の過去分詞形であり、「ab」は「離れて」を、「icere」は「投げる」を意味します。この語源から、abjectは「捨てられた状態」や「下に置かれた状態」を示すようになりました。
中世英語において、abjectは「低い地位にある」や「劣った」を意味するようになり、特に人間の状態や振る舞いに関連して使われるようになりました。例えば、abject poverty(悲惨な貧困)やabject apology(卑しい謝罪)のように、極端に低い状態や、屈辱的であることを強調するために使われます。
この単語の類義語・反対語を教えてください。
- 類義語
- wretched – 惨めな
- miserable – 悲惨な
- degraded – 卑しい
- 反対語
- noble – 高貴な
- dignified – 威厳のある
- exalted – 高貴な
この単語に似た単語で間違いやすい単語はありますか?
- abjectとobject:
- abjectは「悲惨な、卑しい」を意味し、objectは「物体、対象」を意味します。
- abjectとadjacent:
- abjectは「悲惨な、卑しい」を意味し、adjacentは「隣接する」を意味します。
この単語にまつわるエピソードなどはありますか?
「abject」という言葉は、文学や哲学においても深い意味を持ちます。フランスの哲学者ジュリア・クリステヴァは、彼女の著書『異形の力』で「abjection」という概念を探求しました。彼女の理論によれば、abjectionは自己と他者の境界を曖昧にする経験であり、例えば死や汚れたものに対する人間の反応がそれに当たります。クリステヴァは、abjectionが人間の心理や文化において重要な役割を果たしていると述べています。
また、ヴィクトリア朝の文学では、abjectという言葉が頻繁に登場します。チャールズ・ディケンズの『オリバー・ツイスト』では、主人公オリバーが経験する悲惨な状況がabjectとして描写されています。ディケンズは、当時の社会問題や貧困の実態を鋭く描くことで、読者に深い感動を与えました。
この単語を使った例文を5つほど教えてください。
- The abject poverty in the slums was heartbreaking.
- スラム街の悲惨な貧困は胸を打つものでした。
- He was in an abject state after losing his job.
- 彼は仕事を失った後、悲惨な状態にありました。
- Her abject apology showed her deep regret.
- 彼女の卑しい謝罪は彼女の深い後悔を示していました。
- The refugees lived in abject conditions without basic necessities.
- 難民たちは基本的な生活必需品もない悲惨な状況で生活していました。
- The abject surrender of the enemy marked the end of the war.
- 敵の卑しい降伏が戦争の終わりを示しました。