【slack – ゆるんだ、たるんだ】

【slack – ゆるんだ、たるんだ】という単語の語源とか由来を知っていますか?

slackの語源は古英語の「slæc」に遡ります。この言葉は「遅い」「緩い」「弱い」といった意味を持ち、さらに古代ゲルマン語の「slakaz」(ゆるい、自由な)に由来します。初期には、動きや行動が「遅い」「怠けている」というニュアンスで使われ、やがて物理的に「たるんでいる」「緩んでいる」という意味合いが加わりました。中世英語では、特にロープやひもなどが「緩んでいる状態」を指す言葉として一般的に使われるようになりました。この「緩さ」や「遅さ」のイメージは比喩的にも使われ、「怠けた」「手を抜いた」などの意味が拡張されていきました。現在では、物理的な緩みや、活動の低下、怠惰など広範囲の意味を持つ単語となっています。

この単語の類義語・反対語を教えてください。

  • 類義語
    • loose(ゆるい)
    • lax(緩い、怠慢な)
    • negligent(怠慢な)
    • idle(怠けた)
    • relaxed(リラックスした)
  • 反対語
    • tight(きつい、しっかりした)
    • tense(張り詰めた)
    • firm(堅い、引き締まった)
    • diligent(勤勉な)

この単語に似た単語で間違いやすい単語はありますか?

  • slackslake
    slakeは「渇きを癒す、満たす」という意味で、slackの「緩い」とは異なります。
  • slackslant
    slantは「傾斜、斜め」を意味し、slackの「緩み」とは無関係です。
  • slackslick
    slickは「滑らかな、つやのある」という意味で、slackとは混同しやすいが意味が異なります。

この単語にまつわるエピソードなどはありますか?

「slack」という言葉は、航海や工業の分野で特に重要な意味を持ちました。例えば、船のロープが「slack」である場合、強風に対応できずに船が損傷するリスクがありました。このため、「slack off(怠ける)」という表現は、作業の注意が欠けている状態を象徴するようになりました。また、産業革命期には、「slack」な状況が工場の効率低下を指す言葉として使われ、労働環境や経営の改善を求める議論で頻繁に登場しました。現代では、デジタルツール「Slack」の名が、コミュニケーションの効率化と一見逆のイメージを生む一方で、名前の由来は「緩やかで柔軟なコミュニケーション」を促すというポジティブな意図にあります。

この単語を使った例文を5つほど教えてください。

  1. The rope became slack after the wind stopped blowing.
    ・風が止んだ後、ロープがたるんだ。
  2. His work performance has been slack lately.
    ・彼の仕事ぶりは最近たるんでいる。
  3. Please don’t leave the line slack when tying the knot.
    ・結び目を作るときに糸をたるませないでください。
  4. The company experienced a slack season during the winter months.
    ・その会社は冬の間、閑散期を経験した。
  5. The security at the airport was surprisingly slack.
    ・空港の警備は驚くほど緩かった。

【slack – ゆるんだ、たるんだ】のコロケーション

  1. Slack rope: ゆるんだロープ
  2. Slack demand: 低調な需要
  3. Slack period: ひと休みの時期
  4. Slack tide: 潮止まり
  5. Slack attitude: 怠慢な態度
  6. Slack work: 不活発な仕事
  7. Slack pace: ゆったりとしたペース

文法問題

問題1

次の文の空欄に入る最も適切な語を選んでください。
The rope was _____, making it unsafe to climb.

  1. tight
  2. slack
  3. firm
  4. rigid

解答と解説
解答:2. slack
解説:
「making it unsafe to climb(登るのが危険になる)」という文脈では、「slack(ゆるんだ)」が適切です。「tight(張った)」「firm(しっかりした)」「rigid(堅い)」では反対の意味になり、文脈に合いません。


問題2

次の文の空欄に入る最も適切な語を選んでください。
The manager warned the team not to let their efforts become _____.

  1. slack
  2. active
  3. diligent
  4. motivated

解答と解説
解答:1. slack
解説:
「not to let their efforts become(努力を~させないように)」という文脈では、「slack(たるんだ)」が適切です。努力が「active(活発な)」「diligent(勤勉な)」「motivated(意欲的な)」状態にあるのは望ましいため、文脈にそぐいません。


問題3

次の文の空欄に入る最も適切な語を選んでください。
She pulled the rope tight, taking up the _____.

  1. tension
  2. slack
  3. knot
  4. length

解答と解説
解答:2. slack
解説:
「taking up the slack(たるみを取る)」は慣用表現で、文脈に完全に合います。「tension(張り)」「knot(結び目)」「length(長さ)」は文意にそぐわず、不適切です。


問題4

次の文の空欄に入る最も適切な語を選んでください。
During the off-season, business at the restaurant was quite _____.

  1. busy
  2. slack
  3. booming
  4. crowded

解答と解説
解答:2. slack
解説:
「off-season(閑散期)」に対応する表現として、「slack(活気がない、たるんだ)」が最適です。「busy(忙しい)」「booming(活況の)」「crowded(混雑した)」は、閑散期とは逆の意味を表します。


問題5

次の文の空欄に入る最も適切な語を選んでください。
The supervisor noticed that productivity was becoming _____ and decided to hold a meeting.

  1. consistent
  2. slack
  3. steady
  4. strong

解答と解説
解答:2. slack
解説:
「productivity was becoming(生産性が~になってきた)」という文脈では、「slack(低下する、たるんだ)」が適切です。「consistent(一貫した)」「steady(安定した)」「strong(強い)」は、文脈上の「生産性の低下」を表現していません。