
【complacency – 自己満足、独りよがり】
【complacency – 自己満足、独りよがり】という単語の語源とか由来を知っていますか?
「complacency」はラテン語の「complacere(喜ばせる、満足させる)」に由来し、そこから派生した中世ラテン語「complacentia(満足)」が語源です。英語では17世紀頃に「自分の現状に満足している状態」という意味で使われ始めました。当初は肯定的な意味合いもありましたが、次第に「状況を改善しようとしない危うい満足感」や「過信や油断を伴う独りよがり」の意味が強調され、ネガティブなニュアンスが加わっていきました。特にビジネス、政治、軍事などの分野では、変化を恐れて現状維持に安住する危険な姿勢として警戒される概念になっています。
この単語の類義語・反対語を教えてください。
- 類義語
- self-satisfaction(自己満足)
- smugness(うぬぼれ)
- contentment(満足)
- self-approval(自分への肯定)
- 反対語
- dissatisfaction(不満)
- concern(懸念)
- anxiety(不安)
- vigilance(警戒心)
この単語に似た単語で間違いやすい単語はありますか?
complacency と complaisance:どちらも古風な英単語だが、complacency は「自己満足」、complaisance は「親切さ、愛想の良さ」という意味でまったく異なる。
complacency と competence:綴りが似ているが、competence は「能力、適性」を意味する全く別の語。
この単語にまつわるエピソードなどはありますか?
「complacency」という単語は、ビジネス界や軍事戦略の中でたびたび警鐘として使われます。例えば、NASAのスペースシャトル「チャレンジャー号」爆発事故(1986年)では、過去の成功が職員に過信を生み、リスクを過小評価してしまった「complacency(自己満足)」の文化が事故の一因とされました。また、第二次世界大戦中のフランスでも、防衛に対する過信がドイツ軍の侵攻を許すことになったと分析されています。このように、complacency は一時的な安心感が破滅を招くという教訓として、様々な失敗の背景に存在しています。現代社会でも、成果や安全に慣れすぎることの危険性を象徴する重要な言葉となっています。
この単語を使った例文を5つほど教えてください。
- He was fired due to his complacency after years of success.
彼は長年の成功の後、自己満足に陥り、解雇された。 - Complacency is the enemy of progress.
自己満足は進歩の敵である。 - The team’s early lead led to dangerous complacency.
チームは序盤のリードで危険な自己満足に陥った。 - We must not let complacency dull our vigilance.
油断によって警戒心を鈍らせてはならない。 - Her complacency blinded her to the risks ahead.
彼女の自己満足が、目の前のリスクを見えなくしていた。
【complacency – 自己満足、独りよがり】のコロケーション
・Dangerous complacency: 危険な自己満足
・Sense of complacency: 自己満足の感覚
・Fall into complacency: 自己満足に陥る
・Complacency about success: 成功に対する独りよがり
・Government complacency: 政府の自己満足
・Break complacency: 自己満足を打破する
・Warning against complacency: 自己満足への警告
文法問題
【問題1】
His early success led to a dangerous sense of ______ that slowed his progress.
- complacency
- complacent
- complacencies
- complicit
【正解】complacency
【解説】
「a dangerous sense of complacency」で「危険な自己満足感」という意味になります。「complacency」は名詞で、文脈に最も適しています。「complacent」は形容詞なので使えません。
【問題2】
We must not allow ______ to keep us from improving further.
- complacency
- complacent
- complacencies
- complicit
【正解】complacency
【解説】
「complacency」を主語の目的語として使っており、「自己満足がさらなる改善を妨げることがないようにすべきだ」という意味です。ここでも名詞「complacency」が適切です。
【問題3】
The team’s repeated victories bred a kind of ______ that weakened their performance over time.
- complacency
- complacent
- complacencies
- complexity
【正解】complacency
【解説】
「a kind of complacency」で「一種の自己満足」という意味になります。長期的にパフォーマンスが下がった原因としての「自己満足」を表しています。
【問題4】
His ______ attitude made it clear that he saw no need for further training.
- complacent
- complacency
- complaisant
- complex
【正解】complacent
【解説】
ここでは「attitude(態度)」を修飾する形容詞が必要なので、「complacent(自己満足した)」が正解です。「complacency」は名詞のため不適切です。
【問題5】
There was a general atmosphere of ______ in the office after the company reached its goals.
- complacency
- complacent
- complaisance
- complexity
【正解】complacency
【解説】
「atmosphere of complacency」は「自己満足の空気」という意味で、名詞「complacency」が正解です。「complaisance」は「丁寧さ」という別の意味なので誤りです。