「色あせた古い写真、切れ味の悪いナイフ、延々と続く単調な話のように、dull は刺激や鋭さ、鮮やかさに欠ける状態」

📚 意味と用法

dull は形容詞として複数の意味を持ち、文脈によって意味が変わります。動詞としても使われます。

主な意味 (形容詞)

  1. 面白くない、退屈な (boring, tedious): 活動、話、人、本、映画などが刺激がなく、興味を引かない様子。
    例: a dull lecture (退屈な講義), a dull party (つまらないパーティー)
  2. 鈍い、切れ味が悪い (not sharp): ナイフや刃物の切れ味が良くない状態。
    例: a dull knife (切れ味の悪いナイフ), a dull blade (鈍い刃)
  3. 鈍い、鈍感な (not sensitive/acute): 感覚(特に痛み)が鋭くない、または知性や理解力が低いこと。
    例: a dull pain (鈍い痛み), dull senses (鈍い感覚)
  4. くすんだ、さえない (not bright/vibrant): 色、光、音などが鮮やかでない、はっきりしない状態。天気について言う場合は「どんよりした」。
    例: dull colors (くすんだ色), dull weather (どんよりした天気), a dull sound (鈍い音)
  5. 活気がない、鈍い (slow, sluggish): 市場や商売などの動きが活発でない様子。
    例: a dull market (不活発な市場)

動詞としての意味

〜を鈍くする、鈍る: 切れ味、痛み、感覚、色、光などを鈍くしたり、弱めたりすること、またはそれらが鈍くなること。
例: The pain was dulled by the medication. (痛みは薬で鈍くなった。) / Age had dulled his senses. (年齢が彼の感覚を鈍らせた。)

🕰️ 語源と歴史

「Dull」の語源は、古英語の「dol」に遡ります。これは「遅い、鈍感な、愚かな、鈍い」といった意味を持っていました。

さらにゲルマン祖語の「*dulaz」(愚かな)に由来すると考えられ、古ノルド語の「dolgr」(愚かな)や古高ドイツ語の「tol」(愚かな、鈍い)とも関連があります。

元々は精神的な鈍さや愚かさ、物理的な感覚の鈍さを指していましたが、時代とともに意味が広がり、「切れ味の悪さ」「色のくすみ」「面白みのなさ、退屈さ」など、様々な「鋭さや鮮やかさ、刺激の欠如」を表すようになりました。

PROTO-GERMANIC
*dulaz (foolish, dull)
OLD ENGLISH
dol (dull, foolish, slow)
MODERN ENGLISH
dull

📋 比較級・最上級、活用形と派生語

Dull (形容詞) の比較級・最上級

英語 意味
原級 dull 退屈な、鈍い
比較級 duller より退屈な、より鈍い
最上級 dullest 最も退屈な、最も鈍い

Dull (動詞) の活用形

活用形 英語
原形 dull
三人称単数現在形 dulls
過去形 dulled
過去分詞 dulled
現在分詞 dulling

派生語と関連語

  • Dullness (名詞) – 退屈さ、鈍さ、くすみ
    The dullness of the afternoon made me sleepy.
  • Dully (副詞) – 鈍く、鈍感に、退屈そうに
    The knife cut dully through the cardboard.

🔄 類義語

「退屈な」の意味

boring
tedious
monotonous
uninteresting
uninspiring

「鈍い、切れ味がない」の意味

blunt

「くすんだ、さえない」の意味

dim
faded
lackluster
subdued

⚡ 反対語

「退屈な」の反対

interesting
exciting
stimulating
lively

「鈍い、切れ味がない」の反対

sharp
keen

「くすんだ、さえない」の反対

bright
vibrant
vivid
shiny

スペル注意: Dull vs Doll / Dual

Dull (退屈な/鈍い) と、Doll (人形) や Dual (二重の) はスペルが似ていますが、意味は全く異なります。

“She has a large collection of antique dolls.” (彼女はアンティーク人形の大きなコレクションを持っている。)

💬 実践的な例文

1

The lecture was so dull that I struggled to stay awake.

その講義はとても退屈で、起きているのが辛かった。

状況: 面白くない講義 (意味: 退屈な)
2

This old knife is too dull to cut the vegetables properly.

この古いナイフは切れ味が鈍すぎて、野菜をちゃんと切れない。

状況: 切れ味の悪い道具 (意味: 鈍い)
3

He felt a dull ache in his shoulder after working out.

運動した後、彼は肩に鈍い痛みを感じた。

状況: はっきりしない痛み (意味: 鈍い痛み)
4

The room was painted in dull shades of grey and brown.

その部屋はくすんだ灰色と茶色の色合いで塗られていた。

状況: 鮮やかでない色彩 (意味: くすんだ)
5

The medication helped to dull the constant headache.

その薬は絶え間ない頭痛を和らげる(鈍くする)のに役立った。(動詞)

状況: 痛みの軽減 (動詞: 鈍くする)

🧠 練習問題

以下の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。

1. The movie plot was predictable and __________, lacking any real excitement.

dull
dullness
dully
sharp

解説:

“predictable and …” の形で、形容詞 “predictable” (予測可能な) と対になる形容詞が必要です。「退屈な」という意味の形容詞 “dull” が適切です。”sharp” は反対語です。

2. The __________ of the knife made it hard to slice the bread.

dull
dullness
dully
exciting

解説:

定冠詞 “The” と前置詞 “of” の間には名詞が入ります。「鈍さ、切れ味の悪さ」という意味の名詞 “dullness” が適切です。「The dullness of the knife」で「そのナイフの切れ味の悪さ」となります。

3. The sky was grey and the light was __________ all day.

dull
dullness
dully
bright

解説:

be動詞 “was” の補語となる形容詞が必要です。文脈(空が灰色)から、「くすんだ、さえない」という意味の形容詞 “dull” が適切です。”bright” は反対語です。