「色あせた古い写真、切れ味の悪いナイフ、延々と続く単調な話のように、dull は刺激や鋭さ、鮮やかさに欠ける状態」
📚 意味と用法
dull は形容詞として複数の意味を持ち、文脈によって意味が変わります。動詞としても使われます。
主な意味 (形容詞)
- 面白くない、退屈な (boring, tedious): 活動、話、人、本、映画などが刺激がなく、興味を引かない様子。
例: a dull lecture (退屈な講義), a dull party (つまらないパーティー) - 鈍い、切れ味が悪い (not sharp): ナイフや刃物の切れ味が良くない状態。
例: a dull knife (切れ味の悪いナイフ), a dull blade (鈍い刃) - 鈍い、鈍感な (not sensitive/acute): 感覚(特に痛み)が鋭くない、または知性や理解力が低いこと。
例: a dull pain (鈍い痛み), dull senses (鈍い感覚) - くすんだ、さえない (not bright/vibrant): 色、光、音などが鮮やかでない、はっきりしない状態。天気について言う場合は「どんよりした」。
例: dull colors (くすんだ色), dull weather (どんよりした天気), a dull sound (鈍い音) - 活気がない、鈍い (slow, sluggish): 市場や商売などの動きが活発でない様子。
例: a dull market (不活発な市場)
動詞としての意味
〜を鈍くする、鈍る: 切れ味、痛み、感覚、色、光などを鈍くしたり、弱めたりすること、またはそれらが鈍くなること。
例: The pain was dulled by the medication. (痛みは薬で鈍くなった。) / Age had dulled his senses. (年齢が彼の感覚を鈍らせた。)
🕰️ 語源と歴史
「Dull」の語源は、古英語の「dol」に遡ります。これは「遅い、鈍感な、愚かな、鈍い」といった意味を持っていました。
さらにゲルマン祖語の「*dulaz」(愚かな)に由来すると考えられ、古ノルド語の「dolgr」(愚かな)や古高ドイツ語の「tol」(愚かな、鈍い)とも関連があります。
元々は精神的な鈍さや愚かさ、物理的な感覚の鈍さを指していましたが、時代とともに意味が広がり、「切れ味の悪さ」「色のくすみ」「面白みのなさ、退屈さ」など、様々な「鋭さや鮮やかさ、刺激の欠如」を表すようになりました。
📋 比較級・最上級、活用形と派生語
Dull (形容詞) の比較級・最上級
形 | 英語 | 意味 |
---|---|---|
原級 | dull | 退屈な、鈍い |
比較級 | duller | より退屈な、より鈍い |
最上級 | dullest | 最も退屈な、最も鈍い |
Dull (動詞) の活用形
活用形 | 英語 |
---|---|
原形 | dull |
三人称単数現在形 | dulls |
過去形 | dulled |
過去分詞 | dulled |
現在分詞 | dulling |
派生語と関連語
- Dullness (名詞) – 退屈さ、鈍さ、くすみ
The dullness of the afternoon made me sleepy.
- Dully (副詞) – 鈍く、鈍感に、退屈そうに
The knife cut dully through the cardboard.
🔄 類義語
「退屈な」の意味
「鈍い、切れ味がない」の意味
「くすんだ、さえない」の意味
⚡ 反対語
「退屈な」の反対
「鈍い、切れ味がない」の反対
「くすんだ、さえない」の反対
スペル注意: Dull vs Doll / Dual
Dull (退屈な/鈍い) と、Doll (人形) や Dual (二重の) はスペルが似ていますが、意味は全く異なります。
💬 実践的な例文
The lecture was so dull that I struggled to stay awake.
その講義はとても退屈で、起きているのが辛かった。
This old knife is too dull to cut the vegetables properly.
この古いナイフは切れ味が鈍すぎて、野菜をちゃんと切れない。
He felt a dull ache in his shoulder after working out.
運動した後、彼は肩に鈍い痛みを感じた。
The room was painted in dull shades of grey and brown.
その部屋はくすんだ灰色と茶色の色合いで塗られていた。
The medication helped to dull the constant headache.
その薬は絶え間ない頭痛を和らげる(鈍くする)のに役立った。(動詞)
🧠 練習問題
以下の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。
1. The movie plot was predictable and __________, lacking any real excitement.
解説:
“predictable and …” の形で、形容詞 “predictable” (予測可能な) と対になる形容詞が必要です。「退屈な」という意味の形容詞 “dull” が適切です。”sharp” は反対語です。
2. The __________ of the knife made it hard to slice the bread.
解説:
定冠詞 “The” と前置詞 “of” の間には名詞が入ります。「鈍さ、切れ味の悪さ」という意味の名詞 “dullness” が適切です。「The dullness of the knife」で「そのナイフの切れ味の悪さ」となります。
3. The sky was grey and the light was __________ all day.
解説:
be動詞 “was” の補語となる形容詞が必要です。文脈(空が灰色)から、「くすんだ、さえない」という意味の形容詞 “dull” が適切です。”bright” は反対語です。