8-1.ジョー、アポリオン(破壊者)に会う

「みんなどこ行くの?」と、ある土曜日の午後、部屋に入ってきたエイミーは、みんなが秘密めいた雰囲気で出かける準備をしているのを見つけて、好奇心をかき立てられた。
「気にしないでいいのよ。子供は黙っててちょうだい」ジョーは鋭く言い返した。

8-2. ジョー、アポリオン(破壊者)に会う

家に着くと、二人は居間でエイミーが読書しているのを見つけた。中に入ってくると、彼女は傷ついた空気を装い、本から目を離さず[目を持ちあげず]、一つの質問もしなかった。

8-3.ジョー、アポリオン(破壊者)に会う

ジョーがおやすみのキスを受けると、マーチ夫人はそっとささやいた。 「ねえ、怒りを明日に持ち越さないでちょうだい[怒りの上に日を沈ませないで]。お互いに許しあい、助け合い、明日また始めましょう」

8-4. ジョー、アポリオン(破壊者)に会う

がたがたと震え、ずぶ濡れになり[水が滴り]、泣きじゃくるエイミーを家に連れて帰ってきた。エイミーはしばらく興奮状態[興奮した時間]だったが、暖かい暖炉の炎の前で毛布にくるまって眠りに落ちた。騒ぎの最中、ジョーはほとんど口もきかず[話をしないで]飛び回っていた。顔つきは青白く、興奮し、服は半分脱げ落ち、ドレスは破れていた。

8-5. ジョー、アポリオン(破壊者)に会う

「お父様よ、ジョー。彼は決して忍耐力を失わず、疑いもせず、不平も言わず、常に希望を持って、働き、とても明るく(時機・機会を)待っていらっしゃるから、彼の前で癇癪を起す[他のことをする]なんて恥ずかしく思えるのです。お父さまは私を助け、慰めてくれたの。