「裁判官が小槌を打つように、dismiss は要求や考えを退けます」
📚 意味と用法
dismiss は、いくつかの異なる意味を持つ他動詞です。主な意味は以下の通りです。
- 人を解雇する、免職する (例: dismiss an employee)。
- 集会やクラスなどを解散させる、退出させる (例: dismiss the class)。
- 考え、提案、申し立てなどを却下する、退ける、考慮しない (例: dismiss an idea, dismiss a case)。
- (考えや感情などを)念頭から追い払う、忘れようとする (例: dismiss worries)。
解雇する
He was dismissed from his job for negligence.
(彼は職務怠慢で解雇された)
解散させる
The teacher dismissed the students early.
(先生は生徒たちを早く解散させた)
却下する、退ける
Let’s not dismiss her suggestion without considering it.
(彼女の提案を検討もせずに却下するのはやめよう)
🕰️ 語源と歴史
「Dismiss」の語源は、ラテン語の動詞「dīmittere」の過去分詞形「dīmissus」(解放された、放たれた)に由来します。
「dīmittere」は、接頭辞「dis-」(分離、離れて)と動詞「mittere」(送る、行かせる)から成り、文字通り「別々の方向へ送り出す」「解散させる」「行かせる」という意味を持っていました。
このラテン語が中世ラテン語や古フランス語を経て、15世紀頃に英語に入りました。当初は「(集会などを)解散させる」という意味が主でしたが、そこから「職から去らせる(解雇する)」、「考えや訴えなどを去らせる(却下する、退ける)」といった意味へと発展しました。
📋 活用形と派生語
Dismiss の活用形 (動詞)
活用形 | 英語 | 発音 |
---|---|---|
原形 | dismiss | dɪsˈmɪs |
三人称単数現在形 | dismisses | dɪsˈmɪsɪz |
過去形 | dismissed | dɪsˈmɪst |
過去分詞 | dismissed | dɪsˈmɪst |
現在分詞 | dismissing | dɪsˈmɪsɪŋ |
派生語と関連語
- Dismissal (名詞) – 解雇、解散、却下、棄却
His dismissal from the company came as a shock.
- Dismissive (形容詞) – (人や意見などを)無視するような、軽蔑的な、はねつけるような (of ~)
She was very dismissive of his suggestions.
- Dismissively (副詞) – 無視するように、軽蔑的に
He waved his hand dismissively.
🔄 類義語
「解雇する」の意味
「却下する、退ける」の意味
類義語のニュアンスの違い
dismiss (解雇) | 公式に職を解く。理由は何でもあり得る。 |
fire / sack | 通常、能力不足や不正行為などが理由で解雇する(口語的)。 |
lay off | 主に業績不振など会社都合で一時的または永久に解雇する。 |
dismiss (却下) | 考慮に値しないとして「退ける」。 |
reject | 提案や要求などを明確に「拒絶する」。 |
⚡ 反対語
「解雇する」の反対
「却下する、退ける」の反対
混同しやすい単語
形容詞の dismissive と混同しないようにしましょう。
- Dismissive (形容詞): 無視するような、軽蔑的な
He gave a dismissive shrug when I mentioned the problem.
💬 実践的な例文
The company decided to dismiss several employees due to budget cuts.
予算削減のため、会社は数名の従業員を解雇することを決定しました。
The judge dismissed the case due to lack of evidence.
裁判官は証拠不十分のため、その訴訟を棄却しました。
Please dismiss the meeting, as we have covered all the agenda items.
全ての議題を終えましたので、会議を解散してください。
The manager dismissed the proposal as unrealistic and impractical.
マネージャーはその提案を非現実的で実行不可能だとして却下しました。
She tried to dismiss the nagging doubt from her mind.
彼女は心の中からしつこい疑念を追い払おうとしました。
🔗 コロケーション(よく使われる組み合わせ)
- dismiss an employee/worker/staff: 従業員/労働者/スタッフを解雇する
- dismiss a case/lawsuit/appeal: 事件/訴訟/上訴を却下(棄却)する
- dismiss an idea/proposal/suggestion: 考え/提案/提案を却下する、退ける
- dismiss a claim/charge/allegation: 主張/罪状/申し立てを退ける
- dismiss concerns/fears/doubts: 懸念/恐怖/疑念を無視する、払いのける
- dismiss evidence/warning: 証拠/警告を無視する、退ける
- dismiss the class/meeting: クラス/会議を解散させる
- be dismissed from a job/position: 仕事/役職から解雇される
- quickly/lightly/summarily dismiss: 素早く/軽く/即座に却下(無視)する
🧠 練習問題
以下の文の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。
1. The manager decided to __ the employee for repeated lateness.
解説:
不定詞を作る「to」の後には動詞の原形が来るため、正解は (b) dismiss です。「decided to dismiss」で「解雇することを決めた」となります。
2. The judge __ the case due to lack of sufficient evidence yesterday.
解説:
「yesterday」とあるように、過去の出来事を表すため過去形が適切です。正解は (d) dismissed です。(元の例文に文脈を追加)
3. Don’t just __ his concerns as irrelevant; listen to what he has to say.
解説:
否定の命令文「Don’t」の後には動詞の原形が来ます。「彼の懸念を無関係だと退けるな」という意味になります。正解は (b) dismiss です。(元の例文を変更)
4. She is __ any rumors about her resignation as completely false.
解説:
be動詞「is」の後なので、現在進行形を作る現在分詞が入ります。「辞任に関するいかなる噂も完全に虚偽であるとして退けている」という意味になります。正解は (c) dismissing です。
5. He was __ from his position due to serious misconduct last year.
解説:
「was __」の形から、過去の受動態(~された)であることがわかります。「last year」からも過去の出来事と判断できます。受動態は「be動詞 + 過去分詞」で作るため、正解は (d) dismissed です。「深刻な不正行為により役職から解雇された」となります。(元の例文に文脈を追加)