Heel / hiːl /

(足・靴の)かかと;(物の)端;卑劣なやつ;(犬に)つけ;(船が)傾く

足の後部、靴のかかと部分。人に対しては軽蔑的な意味も。犬への命令や船の傾きも指す多義語。

「靴の heel がスタイルを決定づけるように、この単語は様々な意味合いで基盤や終わり、時には軽蔑的な人物像を示します」

📚 意味と用法

heel は名詞および動詞として多様な意味を持ちます。名詞としては、①(人や動物の足の)「かかと」、②(靴や靴下の)「かかと部分」(特にハイヒールなど)、③(パンやチーズなどの)「端の部分」、④(軽蔑的に)「卑劣なやつ」「ならず者」を指します。動詞としては、①(犬に)「(すぐ後ろに)つけ」と命令する、②(靴の)かかとを修理する、③(船などが)「傾く」「かしぐ」といった意味で使われます。身体部位、靴の部品、物の末端、人物評価、命令、動きなど、文脈によって意味が大きく異なります。

足や靴のかかと

She wore shoes with high heels.

(彼女はハイヒールの靴を履いていた。)

卑劣な人 (軽蔑的)

Only a heel would betray a friend like that.

(あのように友人を裏切るのは卑劣なやつだけだ。)

船が傾く (動詞)

The sailboat heeled sharply in the strong wind.

(ヨットは強風で鋭く傾いた。)

🕰️ 語源と歴史

「かかと」を意味する heel は、古英語の「hēla」に由来し、これはさらにゲルマン祖語の「*hanhilō」または「*hanhijlō」(かかと)に遡ります。この語は多くのゲルマン系言語で同根語が見られます。

「卑劣なやつ」という意味は、20世紀初頭のアメリカ英語で使われ始めた比較的新しい用法です。その由来には諸説あり、「人の足元につく(卑屈な)」イメージや、「(アキレスの)かかと=弱点」から転じたとする説などがあります。

一方、船が「傾く」という意味の動詞 heel は、これらとは語源が異なり、古英語の「hieldan」(傾く、かしぐ)に由来します。

ゲルマン祖語 (*hanhilō)
(かかと)
古英語 (hēla)
(かかと)
現代英語 (heel – かかと)

(※「傾く」は別語源: 古英語 hieldan)

📋 活用形と派生語

Heel の活用形 (動詞)

活用形 英語 発音
原形 heel hiːl
三人称単数現在形 heels hiːlz
過去形 heeled hiːld
過去分詞 heeled hiːld
現在分詞 heeling ˈhiːlɪŋ

派生語と関連表現

  • Heeled (形容詞) – かかとのある (例: high-heeled shoes)
    She confidently walked in her high-heeled boots. (彼女はハイヒールのブーツを履いて自信満々に歩いた。)
  • Down-at-heel (形容詞句) – みすぼらしい、落ちぶれた
    The once grand hotel now looked rather down-at-heel. (かつて壮大だったホテルは今やかなりみすぼらしく見えた。)
  • Achilles’ heel (名詞句) – アキレス腱、唯一の弱点
    Procrastination is his Achilles’ heel. (先延ばしにすることが彼のアキレス腱だ。)
  • Head over heels (in love) (成句) – (恋に)夢中で、ぞっこんで
    They fell head over heels in love with each other. (彼らは互いに夢中になった。)

🔄 類義語

scoundrel (悪党 [人])
villain (悪役 [人])
cad (卑怯者 [人])
tilt (傾く [船])
list (傾く [船])

類義語のニュアンスの違い (人物描写)

heel しばしば裏切りや利己的な行動をする卑劣な人物。
scoundrel 悪事を働き、信頼できない人物。やや古風な響きも。
villain 物語の悪役、または極悪非道な人物。

⚡ 反対語 (人物描写)

hero (英雄)
gentleman (紳士)
saint (聖人)

混同しやすい単語

Heel (かかと) vs Heal (癒す): これらは同音異義語で、発音は同じ /hiːl/ ですが、意味と綴りが異なります。

“She has a blister on her heel.” (彼女はかかとに水ぶくれができた。)
“Time will heal your sorrow.” (時があなたの悲しみを癒してくれるだろう。)

💬 実践的な例文

1

She twisted her ankle and landed awkwardly on her heel.

彼女は足首をひねり、不自然にかかとで着地した。

状況: 体の一部としてのかかと
2

The old shoes needed new heels as they were worn down.

古い靴はかかとがすり減っていたので、新しいものと交換する必要があった。

状況: 靴の部品としてのかかと
3

In the movie, the character turned out to be a heel who betrayed his friends.

映画の中で、その登場人物は友人を裏切る卑劣なやつだと判明した。

状況: 人物の品性を表す言葉
4

The dog trainer taught the puppy to heel by his side.

犬の訓練士は子犬に、彼のそばにぴったりつくよう教えた。

状況: 犬への命令
5

The strong gust of wind made the sailboat heel dangerously to one side.

強い突風でヨットは危険なほど片側に傾いた

状況: 船の傾き

🧠 練習問題

以下の空欄に入る最も適切な単語を選んでください。

1. High __________ shoes can be fashionable, but they are often uncomfortable to wear for long periods.

toe
sole
heel
lace

解説:

「ハイヒール」という言葉が示すように、靴の「かかと」部分が高い靴を指します。したがって、「heel」が適切です。「toe」(つま先)、「sole」(靴底)、「lace」(靴紐)は異なります。

2. He was considered a __________ by his colleagues after he took credit for their work.

hero
leader
heel
saint

解説:

他人の功績を横取りするような人物は「卑劣なやつ」と見なされます。この意味で「heel」が適切です。「hero」(英雄)、「leader」(指導者)、「saint」(聖人)は肯定的な人物像です。

3. The command “__________!” is often used in dog training to make the dog walk closely beside its owner.

Sit
Stay
Heel
Fetch

解説:

犬に飼い主のすぐそば(かかと)を歩かせるための命令は「Heel!」(つけ!)です。「Sit」(お座り)、「Stay」(待て)、「Fetch」(取ってこい)は異なる命令です。

4. The ship began to __________ alarmingly as the storm worsened.

sink
float
heel
anchor

解説:

船が嵐で「傾く」ことを動詞で「heel」と表現します。したがって、これが適切です。「sink」(沈む)、「float」(浮く)、「anchor」(錨を下ろす)は異なる状態や行動です。

5. It’s important to land on the ball of your foot, not your __________, when running to avoid injury.

heel
knee
elbow
shoulder

解説:

ランニング時の着地では、怪我を避けるために「かかと」ではなく足の母指球(ball of your foot)で着地することが推奨されます。したがって、「heel」が適切です。「knee」(膝)、「elbow」(肘)、「shoulder」(肩)は足の部分ではありません。