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翻訳者:中務秀典

原文
音声

ON our way back to the village the Doctor began discussing natural history with Long Arrow.

村へ戻る道すがら、ドクターはロングアローと 議論 を始め、主に 博物学 について話していました。


But their most interesting talk, mainly about plants, had hardly begun when an Indian runner dashed up to them with a message.

しかし、主に植物をめぐる 興味深い 話がほとんど始まらないうちに、インディアンの伝令が 駆け寄って きて知らせを持ってきたのです。


Long Arrow listened gravely to the breathless words, then turned to the Doctor and spoke in eagle tongue:

ロングアローは息も絶え絶えの言葉に 深刻そうに 耳を傾けると、ドクターに向き直り イーグル語 で話しました。


“Great White Man, an evil thing has befallen the Popsipetels…

「偉大なる白き人よ、ポプシペテル族に 災い が降りかかりました…


Our neighbors, the thievish Bag-jagderags, have long cast envious eyes on our stores of ripe corn.

隣に住む 盗み好きな バグジャグデラグ族は、我々の熟れたトウモロコシをずっと 羨ましそうに 狙っていました。


Now they have gone upon the war-path and are advancing to attack us.”

今や彼らは 戦い の道を選び、我々を 襲撃 しようと進軍してきています。」


“Evil news indeed,” said the Doctor. “But let us not judge harshly.

「確かに良くない知らせだ」とドクターは言いました。 「しかし 厳しい 見方はやめよう。


Perhaps they are desperate for food, their crops frost-killed before harvest.”

彼らの作物が収穫前に 霜でだめになり 食糧に 困り果てて いるのかもしれない。」


“Make no excuses for the Bag-jagderags,” said Long Arrow. “They are idle, shiftless people.

「バグジャグデラグ族に 言い訳 は無用です」とロングアローは言いました。 「彼らは 怠け者定職に就かぬ 民です。


If not for their large numbers, they wouldn’t dare attack the brave Popsipetels.”

彼らの大人数がなければ、この 勇敢な ポプシペテル族に戦いを仕掛けられるはずなどありません。」


When we reached the village, we found it in a great state of excitement.

村に着くと、そこは 非常に騒然とした 状態でした。


Men were sharpening spears and battle-axes, making arrows. Scouts brought news of the enemy from the southward.

男たちは槍や 戦斧 を研ぎ、矢を作っていました。 斥候 たちは南方からの敵の動きを報告しに戻ってきます。


Long Arrow brought a short but enormously broad Indian, named Big Teeth.

ロングアローは、背は低いが 非常に がっしりしたインディアンを連れてきました。彼の名はビッグティースです。


He was the chief warrior of the Popsipetels.

彼こそが、ポプシペテル族の 戦士長 なのです。


The Doctor volunteered to go and see the enemy and argue the matter out peacefully.

ドクターは、敵と直接会って 進んで申し出て 和平交渉を 話し合い で解決しようと提案しました。


But Big Teeth shook his head. In the last war, a messenger attempting peace was hit with an ax.

しかしビッグティースは首を振りました。前回の戦いでは、和平を 試みた 使者が斧で 攻撃 されたのです。


While the Doctor was asking how Big Teeth meant to defend the village, a cry of alarm came from the look-outs:

ドクターがビッグティースに、どうやって村を 守る つもりか尋ねていると、見張りの者たちから 警報 の声が上がりました。


“They’re coming!—The Bag-jagderags—swarming down the mountains in thousands!”

「来たぞ! バグジャグデラグ族が何 千人 も山から押し寄せてくる!」


“Well,” said the Doctor, “I don’t believe in war; but if the village is attacked, we must defend it.”

「さて」とドクターは言いました。「私は戦争など信条としていないが、村が 攻め られるのなら 防衛 しなければならない。」


He picked up a club and tested its heft.

そう言って彼は こん棒 を拾い、その 重さ を確かめました。


“This seems like a good tool,” he said, joining the other waiting fighters by the bamboo fence.

「これは使えそうだ」と言いながら、彼は竹柵のそばで 待機 している戦士たちの列に加わりました。


We all took up weapons to help our gallant Popsipetel friends: I borrowed a bow and arrows; Jip used his strong teeth.

私たちも皆、ポプシペテル族という 勇敢な 仲間を助けるため武器を手に取りました。私は弓矢を借り、ジップは丈夫な を頼りにします。


Chee-Chee took a bag of rocks and climbed a palm; Bumpo followed the Doctor carrying a young tree and a door-post.

チーチーは 石の入った袋 を持ってヤシの木に登り、バンポは若木と ドア枠 を抱えてドクターの後につきました。


When the enemy drew near, we gasped at the sight: they covered the hillsides in thousands.

敵が近づいてくると、その光景に 息を呑み ました。彼らは何 千人 もいて、山の斜面を 埋め尽くし ていたのです。


Our small army looked like a mere handful.

それに比べて、村の軍勢は ほんの一握り にしか見えませんでした。


“Saints alive!” muttered Polynesia. “Our little lot stands no chance against that swarm.”

「なんてこと!」とポリネシアはつぶやきました。 「こんな人数じゃ、その 勝ち目 なしの 大群 に太刀打ちできないわ。」


“I’m going to get help,” she said.

「私は 援軍 を呼んでくるわ」と彼女は言いました。