※カラフル対訳で紹介している作品はすべてパブリックドメインです。
このサイトで使われている作品のすべては著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開しているProject Gutenberg(プロジェクト・グーテンベルク)、LibriVox(リブリヴォックス、朗読図書館)の作品を出典としています。
翻訳者:中務秀典
(His Landing on The Island) Heaven-sent, In his dolphin-drawn canoe From worlds unknown He landed on our shores.
彼は(島への上陸) 天から授かりし者として、 イルカに引かれるカヌーに乗り、 見知らぬ世界からこの岸へと降り立った。
そのヤシの木々は、来るべき王を歓迎するかのように、深々と頭を垂れたのです。
(His Meeting With The Beetle) By moonlight in the mountains He communed with beasts.
II(カブトムシとの出会い) 月光の差す山中で、彼は獣たちと心を通わせました。
恥ずかしがり屋のジャビズリは、重大な苦難を示す絵言葉を彼のもとへ運んできたのです。
(He liberates The Lost Families) Big was his heart with pity; Big were his hands with strength.
III(失われた家族を解放する) 彼の心は深い哀れみに満ち、 その手は強大な力をたたえていました。
見てください、彼が山をまるでイモのように裂く様子を!そして、行方知れずだった人々が踊り出て朝を迎える姿を!
(He Makes Fire) Our land was cold and dying. He waved his hand and lo!
IV(火を起こす) 我らの土地は冷たく、すべてが枯れかけていました。ところが彼が手を振るや否や、なんと!
雲ひとつない空から 稲妻が躍り、[321]太陽がこちらへ身を寄せ、そして 火が生まれたのです!
さらに私たちがそのありがたい炎を取り囲むうち、彼は流れ漂う我らの 気まぐれな土地を、(※「wayward」に対応する語句を「気まぐれな」に変更)
穏やかな入江へと押し戻し、日の光あふれる海に繋ぎとめたのです。
(He Leads The People To Victory in War) Once only Was his kindly countenance Darkened by a deadly frown.
V(戦で民を勝利へ導く)ただ一度だけ、 その優しげな面差しが 致命的な険しさで曇ったことがありました。
邪悪なる敵に、災いあれ!ジョン・シンカロットを酋長にいただく我が部族をあえて攻めるとは!
(He Is Crowned King) The birds of the air rejoiced; The Sea laughed and gambolled with her shores;
VI(王の戴冠)空の鳥たちは歓喜にわき、海は岸辺を相手に戯れ笑いました。
あらゆる赤肌の民は、彼を王と戴いたその日に喜びの涙を流したのです。
彼こそは建設者であり、癒し手であり、教える者にして王子でもある。すべての存在の中で、もっとも偉大なる方なのです。
彼が千年また千年を生き、心安らかに我らの地に平和の恵みをもたらしますように。