3-1-1. 3人目の男
その週のうちに、私たちは航海の準備を始めた。貝掘りのジョーは、カーリュー号を川の下に移動させ、荷積みに便利なように川岸に縛り付けた。
3-1-2. 3人目の男
この日の朝は、いろいろな人が訪れて大忙しだった。先生がメモ帳を収納するために下に降りるやいなや、別の訪問者が渡り板に現れた。それは、非常に風変りな黒人だった。
3-2. グッバイ
二日後には出発の準備が整った。ジップがこの航海に連れて行ってほしいとしきりにせがむので、先生もついに折れて行けることになった。
3-3-1. トラブルの始まり
夕食前になるとバンポが階下から現れ、舵を握っている先生のところへ行った。「船倉に密航者を発見しました、先生」と彼は船乗りっぽくいかにも事務的な声で言った。「小麦粉袋の後ろで見つけました」
3-3-2. トラブルの始まり
二人は先生に、沼地のほとりにある小さな小屋で一緒に住むようになってからのことを説明した。あまりにもの多くの人たちが(あの大裁判の話を聞きつけて)訪ねてくるので、生活が出来なくなってしまい、こうやってバドルビーから逃亡することに決めたのだ。
3-4-1. トラブルの始まり
翌朝、名コックのバンポが作ってくれたインゲンマメとベーコンのとてもおいしい朝食を食べている時、先生は私に言った。「どうしようかね、スタビンズ君。カパ・ブランカ島に立ち寄るべきか、そのままブラジルの海岸に向かうべきか。
3-4-2.トラブルは続く
私たちは階下の貯蔵室に行くと、ポリネシアが我々に静かにして耳をすますように言った。私たちはその通りにした。まもなく、船倉の隅の暗がりから誰かのいびきがはっきりと聞こえてきた。
3-5-1.ポリネシアの案
そして、先生は僕に舵輪を握るように言って、地図を使ってちょっとした計算をし、これから先どのような針路を取るべきかを考えた。
3-5-2.ポリネシアの案
「でも、ベン・ブッチャーをどうすればいいんだ?」とジップは口をはさんだ。「ポリネシア、何か名案でもあるかい?」
3-6.モンテベルデの寝台屋
カパ・ブランカ諸島にに3日間滞在した。本当はあんなに急いでいたのに、こんなに長く泊まったのには 理由が2つあった。
3-7-1.先生の賭け
翌朝、私達はとても大きな騒ぎ声で目が覚めた。多くの派手な服を着た男たちが列をなして通りを下ってきて、その後には(派手な服を着た男たちに)うっとりとしている女性や、拍手喝采する子供達などの群衆がついてきた。
3-7-2.先生の賭け
「ドン・エンリケさん」と先生は言った。「あなたは闘牛士たちがとても勇敢で熟練していると言いましたね。どうやら私は、闘牛が惨めなスポーツと言っていたことであなたを怒らせたようですね。
3-8-1.先生の賭け
次の日、モンテベルデは最高の日よりだった。すべての通りには旗が掲げられ、あちこちで華やかな衣装をまとった群衆が、闘牛場に押し寄せた。闘牛が行われる場所で大きな見世物があると聞いてやってきたのだ。
3-8-2.先生の賭け
このようなことが十分ほど続いた後、闘牛士の控え室の小さなドアが開き、先生が闘牛場に入って行った。空色のビロードの服装をした太った先生の姿が現れると、観客は席を揺らしながら大いに笑った。
3-8-3.先生の賭け
先生は牛の角の上で逆立ちをして「ちょっと、角の上で曲芸をやってみました」「もちろん、あなたが怖いというのなら…」と先生は笑みを浮かべながら言った。
3-9-1.いそいで出発
先生の後ろでドアが閉まるや否や、今まで聞いたことのないようなものすごい音が鳴り響いた。数人の男たちは怒っているように見えた。(ペピートの友人だと思う)でも、婦人たちは先生を闘牛場に戻るように何度も何度も呼びかけた。
3-9-2.いそいで出発
実際、ポリネシアの言う通り、私たちには危険が迫っていた。私たちの勝利の知らせは、町中に稲妻のように広がっていったに違いない。